○ふるさと佐賀への誇りを育む観光条例
平成30年3月15日
佐賀県条例第1号
ふるさと佐賀への誇りを育む観光条例をここに公布する。
ふるさと佐賀への誇りを育む観光条例
佐賀県は、豊かな自然、歴史、文化、食や、陶磁器をはじめとする伝統産業を有するとともに、時代を支えた多くの人材を輩出しており、古くから大陸との交流が盛んに行われるなど、佐賀県ならではの魅力を源泉に、世界に開かれた地域として発展してきました。
今、人口減少や少子高齢化が進む中で、農業、漁業、商業、まちづくり、文化、スポーツ等の地域資源を活かしたツーリズムとしての観光には、交流人口の増加による地域の発展に大きな役割が期待されます。このような中、外国人旅行者や個人客の増加、体験型観光への志向の高まり、新たな情報通信技術の急速な普及など、旅行者の価値観や行動形態は多様化しており、私たち県民は自らが住み、暮らしている地域の資源の魅力を高め、旅行者を温かく迎え入れ、心に響く情報を届けることが求められています。このためには、従来の観光関係者を含めた、私たち県民一人一人が、ふるさとを大切に思い、ふるさとへの誇りと愛着を持って旅行者を迎え入れる当事者であるとの意識を持つことが必要です。
我が国の近代化の幕開けである明治維新期には、佐賀県の多くの先人が活躍しました。明治維新から150年を迎え、先人の偉業を顕彰するとともに、未来に向かって大きく踏み出す節目のときです。誇るべき歴史や文化を再認識することで、地域への愛着を醸成し、これらの地域資源を守り、活用することにより、地域の宝として育んでいくことが重要です。
ここに、佐賀県に住む人と訪れる人とがともに感動を共有できる観光の観点からの地域づくりを推進することにより、県民のふるさとへの自信と誇りの醸成を目指すとともに、交流によって地域の幅広い分野の成長を促進し、未来に継承していくことを決意し、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、本県の観光の振興について、県の責務、県民の役割等を定めることにより、県民と旅行者とが様々な交流を通じて感動を共有できる地域づくりを推進し、もって県民のふるさとへの自信と誇りの醸成とともに県民生活の向上に貢献することを目的とします。
(県の責務)
第2条 県は、地域資源の磨き上げ、旅行者の受入環境の整備、国内外への地域資源を活かした情報発信等の観光の振興に関する施策を、九州各県と連携して総合的に推進します。
2 県は、市町又は県民からなる多様な地域の主体が自発的に行う観光の振興に関する取組に対し、地域を支える人々が主役との認識のもと、必要な支援を行います。
(県民の役割)
第3条 県民は、その一人一人が率先して、自らが住み、暮らしている地域に対する関心及び理解を深め、観光の観点からの魅力ある地域づくりに積極的な役割を果たすよう努めるとともに、旅行者を温かい心で迎えるよう努めるものとします。
(県民への情報等の提供)
第4条 県は、県民が伝統、文化、産業、自然等の地域の魅力について再認識し、ふるさとへの自信、誇り及び愛着を持ち、観光の当事者としてふさわしい役割を担うための情報を提供するよう努めるとともに、県民がこのような情報を学ぶための機会を提供するよう努めます。
(分野等を超えた連携)
第5条 県、市町及び県民は、多様化する観光需要を踏まえ、分野及び地域を超えて、相互に連携を図り、一体となって観光地域づくりに取り組むよう努めるものとします。
(推進体制の整備等)
第6条 県は、観光の振興に関する施策を推進するための体制を整備するとともに、必要な財政上の措置を講ずるよう努めます。
附則
この条例は、公布の日から施行します。