○佐賀県笑顔とお口の健康づくり推進条例
平成22年6月30日
佐賀県条例第27号
佐賀県笑顔とお口の健康づくり推進条例をここに公布する。
佐賀県笑顔とお口の健康づくり推進条例
目次
第1章 総則(第1条―第9条)
第2章 歯と口腔の健康づくりに関する基本的な事項(第10条―第17条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、歯と口腔の健康づくりが県民の健康の保持増進及び食育の推進に果たす役割の重要性にかんがみ、本県における歯と口腔の健康づくりに関し、基本理念を定め、並びに県の責務及び歯科医療関係者、教育関係者、保健福祉関係者、県民等の役割を明らかにするとともに、県の施策の基本的な事項を定めることにより、県民の生涯にわたる歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって県民の健康の増進に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 歯と口腔の健康づくりは、すべての県民が、自ら歯と口腔の健康の保持増進に努めるとともに、住み慣れた地域において生涯にわたり必要な歯科保健医療サービスを受けることができる環境が整備されることを基本理念として行われなければならない。
(県の責務)
第3条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、歯と口腔の健康づくりに関する総合的かつ計画的な施策を策定し、関係者との適切な役割分担のもと、連携して実施する責務を有する。
(市町との連携協力等)
第4条 県は、前条の施策を策定し、及び実施するに当たっては、住民に身近な保健サービスを実施している市町との連携協力及び調整に努めなければならない。
(市町への支援)
第5条 県は、市町が母子保健法(昭和40年法律第141号)、健康増進法(平成14年法律第103号)等の法令に基づく施策その他の歯と口腔の健康づくりに関する施策を策定し、及び実施する場合には、その求めに応じ、情報の提供、専門的又は技術的な助言その他必要な支援を行うものとする。
(歯科医療関係者の役割)
第6条 歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他の歯科医療関係者は、基本理念にのっとり、県又は市町が実施する歯と口腔の健康づくりに関する施策に協力し、歯科疾患の予防に努めるとともに、咀嚼機能その他の歯と口腔に関する機能の維持回復が図られるよう、良質かつ適切な歯科医療、保健指導等を行うよう努めるものとする。
(教育関係者及び保健福祉関係者の役割)
第7条 教育関係者及び保健福祉関係者は、基本理念にのっとり、それぞれの業務において、歯と口腔の健康づくりの推進に努めるとともに、その推進に当たっては、他の者が行う歯と口腔の健康づくりに関する取組と連携し、及び協力するよう努めるものとする。
2 教育関係者及び保健福祉関係者は、歯と口腔の健康づくりを推進するため、県民の歯と口腔の健康づくりを支援する保健師、栄養士、介護従事者等に対する研修の機会の確保に努めるものとする。
(事業者及び保険者の役割)
第8条 事業者は、基本理念にのっとり、県内の事業所で雇用する従業員の歯科健診及び保健指導の機会の確保その他の歯と口腔の健康づくりに関する取組を推進するよう努めるものとする。
2 保険者は、基本理念にのっとり、県内の被保険者等の歯科健診及び保健指導の機会の確保その他の歯と口腔の健康づくりに関する取組を推進するよう努めるものとする。
(県民の役割)
第9条 県民は、歯と口腔の健康づくりに関する知識及び理解を深めるよう努めるとともに、県及び市町並びに事業者及び保険者が行う歯と口腔の健康づくりに関する取組への参加又はかかりつけ歯科医等の支援を通じ、積極的に歯と口腔の健康づくりに取り組むよう努めるものとする。
第2章 歯と口腔の健康づくりに関する基本的な事項
(県歯科保健計画)
第10条 知事は、県民の生涯にわたる歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、歯と口腔の健康づくりに関する基本的な計画(以下「県歯科保健計画」という。)を定めなければならない。
2 県歯科保健計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 歯と口腔の健康づくりに関する基本的な方針
(2) 歯と口腔の健康づくりに関する目標
(3) 歯と口腔の健康づくりに関する次に掲げる施策
ア 県民が歯科健診、保健指導等の必要な歯科保健医療サービスを受けることができる環境の整備及び普及啓発
イ 歯と口腔の健康づくりに資する情報の収集及び提供
ウ 歯と口腔の健康づくりに関する取組にかかわるものとの連携体制の構築
エ 離島及びへき地における適切な歯科保健医療サービスの確保
オ 歯科保健事業に携わる者の確保及び資質の向上
カ 歯科保健事業の効果的な実施に資する調査研究の推進
(4) 前3号に掲げるもののほか、県民の生涯にわたる歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、県歯科保健計画を定めるに当たっては、あらかじめ、県民及び市町その他歯と口腔の健康づくりに関する取組にかかわるものの意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
4 知事は、県歯科保健計画を定めたときは、遅滞なく、公表しなければならない。
5 知事は、歯と口腔の健康づくりに関する施策の進捗状況等を踏まえ、必要に応じて県歯科保健計画を見直すものとする。
(指針の策定)
第11条 知事は、市町における歯と口腔の健康づくりに関する施策の円滑な実施を支援するため、市町がその役割に応じて効果的に歯と口腔の健康づくりの推進に取り組むための指針を定めるものとする。
2 前項の指針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 県民の各年齢階層に応じた歯と口腔の健康づくりに係る市町の役割
(2) 歯科保健医療サービスを受けるに当たり特に配慮を要する障害者、介護を要する高齢者、妊婦等の歯と口腔の健康づくりに係る市町の役割
(3) 前2号に掲げるもののほか、市町がその役割に応じて効果的に歯と口腔の健康づくりの推進に取り組むために必要な事項
(効果的な歯科保健対策の推進等)
第12条 県は、幼児、児童及び生徒に係る歯と口腔の健康づくりの推進を図るため、科学的根拠に基づくう蝕予防対策の普及その他の効果的な歯科
2 知事又は県教育委員会は、保育所、幼稚園、小学校、中学校等においてフッ化物洗口が実施される場合は、各実施主体に対し、学校保健安全法(昭和33年法律第56号)第5条の規定による学校保健計画又はこれに準じた計画に定めて実施すること等その的確な実施のための必要な助言を行うものとする。
(障害者等への支援)
第13条 県は、歯科保健医療サービスを受けるに当たり特に配慮を要する障害者、介護を要する高齢者、妊婦等の歯と口腔の健康づくりを推進するため、必要な支援を行うよう努めるものとする。
(8020運動推進週間)
第14条 県は、毎年11月8日をいい歯の日と定めるとともに、同日を含む1週間を8020運動(80歳で自分の歯を20本以上維持することを目的とした取組をいう。以下同じ。)を推進する週間と定め、8020運動について、県民の理解及び意識の高揚を図り、県民運動として定着するよう普及啓発に努めるものとする。
(県民歯科疾患実態調査)
第15条 県は、県民の歯と口腔の健康づくりの推進を図るための基礎資料とするため、おおむね6年ごとに、県民歯科疾患実態調査を行うものとする。
(財政上の措置)
第16条 県は、歯と口腔の健康づくりに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(年次報告)
第17条 知事は、県歯科保健計画に基づく実施状況を、毎年度、議会に報告するとともに、公表するものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。