○佐賀県立学校教職員の職務発明等に関する規程

平成22年3月31日

佐賀県教育委員会訓令甲第1号

県立学校

佐賀県立学校教職員の職務発明等に関する規程

(趣旨)

第1条 この規程は、教職員が職務に関連してした発明、考案及び意匠の創作の取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 教職員 県立学校に勤務する教職員をいう。

(2) 発明等 特許法(昭和34年法律第121号)第2条第1項に規定する発明、実用新案法(昭和34年法律第123号)第2条第1項に規定する考案及び意匠法(昭和34年法律第125号)第2条第1項に規定する意匠の創作をいう。

(3) 特許権 特許法第66条第1項に規定する特許権をいう。

(4) 実用新案権 実用新案法第14条第1項に規定する実用新案権をいう。

(5) 意匠権 意匠法第20条第1項に規定する意匠権をいう。

(6) 業務発明等 教職員がした発明等で、その内容がその性質上佐賀県教育委員会又は佐賀県教育委員会教育長(以下「教育長」という。)の権限に属する事務の範囲に属するものをいう。

(7) 職務発明等 業務発明等で、当該業務発明等をするに至った行為が教職員の現在又は過去の職務に属するものをいう。

(権利の承継)

第3条 県は、職務発明等について、この規程の定めるところにより、特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利若しくは意匠登録を受ける権利(以下「特許を受ける権利等」という。)又は特許権、実用新案権若しくは意匠権(以下「特許権等」という。)を承継することができる。

(業務発明等の届出等)

第4条 教職員は、業務発明等をした場合には、県立学校長を経由して、教育長に対し、その旨を速やかに届け出なければならない。

2 業務発明等をした教職員は、当該業務発明等が2人以上の教職員又は教職員以外の者との共同で行われたものであるときは、前項の規定による届出の前に、共同して発明等を行った者との間で特許を受ける権利等又は特許権等に係る持分の割合その他特許を受ける権利等又は特許権等を県に譲渡するために必要な事項について、あらかじめ定めておかなければならない。

3 業務発明等をした教職員は、当該業務発明等について特許出願等(特許法第36条第1項の規定による願書の提出、実用新案法第5条第1項の規定による願書の提出又は意匠法第6条第1項の規定による願書の提出をいう。以下同じ。)をしてはならない。ただし、特許を受ける権利等を保全するためやむを得ない場合は、この限りでない。

(承継の決定等)

第5条 教育長は、前条第1項の規定による届出があった場合は、当該業務発明等を行うに至った経緯、経済的効果及び社会的意義について審査し、県が当該業務発明等をした教職員の特許を受ける権利等又は特許権等を承継するかどうかを決定し、その結果を当該教職員に通知するものとする。

2 教育長は、前項の規定による審査に当たっては、佐賀県教育委員会事務局職務発明等審査会(以下「審査会」という。)を設置し、あらかじめ審査会の意見を聴くものとする。

3 審査会の委員は、審査の対象となる業務発明等の内容に応じ、次に掲げる者により構成する。

(1) 副教育長

(2) 関係課長

(3) 当該業務発明等に係る県立学校長

(4) その他教育長が特に必要と認める者

4 審査会の運営に関し必要な事項は、教育長が別に定める。

(令5教委訓令甲2・一部改正)

(出願等)

第6条 県立学校長は、前条第1項の規定により県が承継することとした特許を受ける権利等については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところにより、特許出願等を行うものとする。

(1) 名義人 佐賀県知事

(2) 費用負担 佐賀県

2 県立学校長は、前項の規定による特許出願を行った発明について、特許法第48条の3に規定する出願審査の請求を行うかどうかを検討し、出願審査の請求を行うことを決定したときは、速やかに当該請求を行うものとする。

3 前条第1項の規定により県が特許を受ける権利等について承継しないことを決定した場合は、当該業務発明等をした教職員は、自ら特許出願等を行うことができる。

(特許を受ける権利等の譲渡義務、権利の制限等)

第7条 教職員の職務発明等に係る特許を受ける権利等の譲渡義務、権利の制限等、秘密の保持及び出願費用の支払については、佐賀県職員の職務発明等に関する規程(平成2年佐賀県訓令甲第8号。以下「県職員職務発明等規程」という。)第5条から第8条までの規定を準用する。

(登録補償金)

第8条 特許権等に係る登録補償金については、県職員職務発明等規程第9条の規定を準用する。

(実施補償金)

第9条 教育長は、県が毎年1月1日から12月31日までの間にこの規程に基づき職務発明等を行った教職員から譲渡を受けた特許を受ける権利等又は特許権等の運用又は処分により財産上の利益を得たときは、当該職務発明等を行った教職員に対し、翌年12月31日までに、実施補償金を支払うものとする。

2 前項の実施補償金の額の算定については、県職員職務発明等規程第10条第2項から第5項までの規定を準用する。

(異議申立て)

第10条 第5条第1項の規定による決定に対する異議申立てについては、県職員職務発明等規程第11条の規定を準用する。

(特許権等の維持)

第11条 教育長は、特許権等の存続を維持する必要があるかどうかについては、特許法第107条第1項に規定する特許料又は実用新案法第31条第1項若しくは意匠法第42条第1項に規定する登録料の金額が変更となる時期において、第5条第1項の規定による決定に係る手続に準じて処理するものとする。

2 教育長は、前項の規定により、特許権等の存続を維持する必要がないと決定した職務発明等に係る特許権等については、当該職務発明等を行った教職員に返還することができる。この場合において、名義人の変更等の手続に要する費用は、当該職務発明等を行った教職員の負担とする。

(実施権の設定)

第12条 教育長は、佐賀県教育委員会が管理する特許権等に係る実施(特許法第2条第3項、実用新案法第2条第3項及び意匠法第2条第3項に規定する実施をいう。)の許諾の申請があった場合において、適当と判断したときは、当該実施を許諾することができる。

2 前項の規定による許諾に関し必要な事項は、教育長が別に定める。

(補則)

第13条 この規程に定めるもののほか、この規程の施行に関し必要な事項は、教育長が別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成22年4月1日から施行する。

(取得済みの特許権等の取扱い)

2 この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)前に教職員がした業務発明等で施行日前に県が特許権等を取得したものについては、施行日に県が特許権等を取得したものとみなし、この訓令の規定を適用する。

(令和5年教委訓令甲第2号)

この訓令は、令和5年4月1日から施行する。

佐賀県立学校教職員の職務発明等に関する規程

平成22年3月31日 教育委員会訓令甲第1号

(令和5年4月1日施行)