○佐賀県民の安全安心な消費生活に関する条例
平成17年3月24日
佐賀県条例第30号
佐賀県民の安全安心な消費生活に関する条例をここに公布する。
佐賀県民の安全安心な消費生活に関する条例
佐賀県民の消費生活の安定及び向上に関する条例(昭和57年佐賀県条例第7号)の全部を改正する。
目次
前文
第1章 総則(第1条―第10条)
第2章 安全の確保(第11条―第17条)
第3章 表示、計量及び広告宣伝の適正化(第18条―第21条)
第4章 不当な取引行為の禁止(第22条―第24条)
第5章 事業者の自主基準及び県の基準の策定等(第25条―第27条)
第6章 消費者教育の推進等(第28条―第30条)
第7章 消費者苦情の処理(第31条―第37条)
第8章 生活関連商品等の需給及び価格の安定化等(第38条―第40条)
第9章 佐賀県消費生活審議会(第41条)
第10章 調査、勧告、公表等(第42条―第45条)
第11章 雑則(第46条・第47条)
附則
安全で安心な消費生活を送ることは私たち県民が等しく願うものであり、かつ、消費者としての当然の権利である。
私たちの消費生活を取り巻く環境は、その変化の度合いをますます強めてきている。近年の社会経済の進展は、多様な商品やサービスを生み出し、消費者の選択の機会の拡大をもたらす一方で、商品やサービスの高度化及びその取引方法の複雑化をも生み出し、結果的に、従来から存在する消費者と事業者との間の情報力及び交渉力の格差をさらに増大させ、消費者が直面する諸問題を多様化、複雑化させている。
本来、消費者と事業者とは、対等の立場に立つべきものである。従って、これらの格差を是正し、消費者の利益を擁護し、及び増進するために、今、行政、消費者、消費者団体、事業者及び事業者団体が、自ら又は連携して、消費者の保護、自立及びその支援並びに事業活動の適正化に向けた取組をより一層推進することが強く求められている。
私たちは、このような認識に基づき、県民の消費者としての権利を守るためには、実効性のある消費者被害の予防と救済を行うことが県の責務であること、また、県民が、各自の能力に応じて、自立した消費者として行動できるよう、その支援を行うことも県の責務であること、さらに、消費者もまた、各自の能力に応じ、その自立に向けて行動するよう努めることが求められていることを確認するとともに、県、市町、消費者、消費者団体、事業者及び事業者団体の協力関係の下、消費者の権利の確立を目指し、県民の消費生活の一層の安定及び向上を図るため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、消費者としての権利が県民に明確に帰属するものであることを確認し、県民の消費生活における利益の擁護及び増進に関し、県、市町、事業者及び事業者団体の果たすべき責務並びに消費者及び消費者団体の果たすべき役割を明らかにするとともに、県が実施する消費生活に関する施策について必要な事項を定めることにより、県民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的とする。
(平17条例74・一部改正)
(基本理念)
第2条 前条の目的を達成するに当たっては、次に掲げる事項を基本としなければならない。
(1) 消費者と事業者との間には、情報の質及び量並びに交渉力等について、厳然たる格差が存在し、かつ、この格差が消費生活及び消費者取引の複雑化及び高度化に伴ってますます増大していることを踏まえるならば、消費者被害の予防、救済等の実効的な消費者保護を実施することは、県の重要な責務であること。
(2) 県民が消費生活において自主的かつ合理的に行動できるよう、その自立の支援を行うこともまた、県の重要な責務であること。
(3) 前号の支援は、年齢や障がいの有無等の個人の特性に配慮して行わなければならないこと。
(4) 県民は、自らの能力に応じて、消費生活に関して必要な知識の修得、情報の収集等の自主的かつ合理的な行動に努めなければならないこと。
(消費者の権利)
第3条 県民は、安全で安心な消費生活を送ることができるよう、次に掲げる消費者の権利を保障されなければならない。
(1) 事業者から提供される商品又はサービス(以下「商品等」という。)によって、生命、健康及び財産を侵されない権利
(2) 商品等を適切に選択し、これを適正に使用又は利用できるよう、適正な表示、計量及び広告宣伝を求める権利
(3) 消費生活において必要な情報を適切かつ速やかに、平易な形で提供される権利
(4) 商品等についての不当な勧誘、不当な取引条件の強制その他の不当な取引行為を強要されない権利
(5) 消費生活において事業者から被った不当な被害から、適切かつ迅速に救済される権利
(6) 消費生活において、必要な知識及び判断力を修得し、自主的かつ合理的に行動するため、消費者教育を受ける権利
(7) 障がい等の有無にかかわらず、安全で安定した消費生活を営むことができるよう、消費者契約に関し、必要な福祉的支援を受ける権利
(8) 消費者団体を組織し、団体を通じて行動する権利
(9) 消費者としての意見が、県及び市町が実施する消費生活に関する施策に適切に反映される権利
(平17条例74・一部改正)
(県の責務)
第4条 県は、社会経済の変化に即応した消費生活に関する施策の策定及び実施を通じて、消費者の権利の確立に努め、もって県民の消費生活の安定及び向上を図らなければならない。
2 県は、県民の参画と協働の下に、消費生活に関する施策を策定するとともに、これを実施しなければならない。
3 県は、消費生活に関する施策の策定及び実施に当たっては、国及び市町と緊密に連携し、相互に協力するものとする。
4 県は、消費生活に関する施策の策定及び実施に当たっては、消費者団体と緊密に連携し、相互に協力するものとする。
(平17条例74・一部改正)
(市町の責務)
第5条 市町は、その地域の社会的及び経済的状況に応じた消費生活に関する施策の策定及び実施を通じて、消費者の権利の確立に努め、もって住民の消費生活の安定及び向上を図るものとする。
2 市町は、住民の参画と協働の下に、消費生活に関する施策を策定するとともに、これを実施するものとする。
3 市町は、消費生活に関する施策の策定及び実施に当たっては、国及び県並びに市町と緊密な連携を行い、相互に協力するものとする。また、県による消費生活に関する施策の策定及び実施に関し、住民への情報提供、住民から寄せられる相談状況の報告等を通じて、協力するものとする。
(平17条例74・一部改正)
(事業者の責務)
第6条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、消費者の権利を尊重し、法令を遵守するとともに、県及び市町が実施する消費生活に関する施策に協力しなければならない。
2 事業者は、自主的に、消費者の安全の確保、消費者に対する情報の提供、消費者の知識、経験、財産の状況等に配慮した取引等により、適正かつ公正な事業活動を推進しなければならない。
3 事業者は、消費者との間の取引に関して生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制を整備し、当該苦情を適切に処理するとともに、消費者の意見をその事業活動に反映するよう努めなければならない。
(平17条例74・一部改正)
(事業者団体の責務)
第7条 事業者団体は、その構成する事業者が消費者の権利を尊重し、法令を遵守した事業活動を行うよう促すとともに、県及び市町が実施する消費生活に関する施策に協力しなければならない。
2 事業者団体は、その構成する事業者と消費者との間の取引に関して生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制を整備するとともに、当該事業者に対し、当該苦情の解決のために必要な支援及び協力をしなければならない。
(平17条例74・一部改正)
(消費者の役割)
第8条 消費者は、自ら進んで消費生活に関する必要な知識を修得し、自主的かつ合理的に行動することにより消費者の権利の確立に努め、安全で安心な消費生活を営むことができる社会の実現に積極的な役割を果たすものとする。
2 消費者は、県及び市町が実施する消費生活に関する施策に対する意見の表明に努めるものとする。
(平17条例74・一部改正)
(消費者団体の役割)
第9条 消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動等消費者の権利の確立のための健全かつ自主的な活動に努めるものとする。
2 消費者団体は、県及び市町が実施する消費生活に関する施策に対する意見の表明に努めるものとする。
(平17条例74・一部改正)
3 知事は、前項の規定により措置を講じたときは、その処理の経過及び結果を当該申出を行った者に通知するものとする。
4 知事は、県民の消費生活の安定及び向上を確保するために必要があると認めるときは、県民に対し、第1項の規定による申出の内容並びにその処理の経過及び結果について、情報提供を行うものとする。
第2章 安全の確保
(危害商品等の供給禁止)
第11条 事業者は、消費者の生命、身体又は財産に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある商品等の製造、販売等(以下「供給」という。)を行ってはならない。
(規格の適正化)
第12条 事業者は、その供給する商品等について、消費者の生命、身体及び財産に対する危害が発生しないよう安全な規格を定めなければならない。
(警告表示の適正化)
第13条 事業者は、その供給する商品等の使用又は利用により、消費者の生命、身体又は財産に対する危害が発生するおそれがある場合には、当該危害の具体的内容、当該危害を防止するための使用又は利用の方法等を適正に表示しなければならない。
4 知事は、消費者の安全を確保するため必要があると認めるときは、消費者に対し、速やかに、第1項の調査の経過及び結果について情報提供を行うものとする。
(1) 商品等の名称
(2) 事業者の氏名又は名称
(3) 事業者の住所又は事務所若しくは事業所の所在地
(4) 危害の内容
(5) 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
2 知事は、前項の規定による措置を実施したときは、その旨を、直ちに当該事業者に通知するものとする。
(調査の委託)
第17条 知事は、第15条第1項の調査を行うに当たり、必要に応じ、外部機関に対し、当該調査の一部を委託することができる。
第3章 表示、計量及び広告宣伝の適正化
(表示の適正化)
第18条 事業者は、その供給する商品等について、消費者が選択又は使用若しくは利用を誤ることがないように、次に掲げる事項を、知事の指定するところにより適正に表示しなければならない。
(1) 内容及び用途並びに品質
(2) 事業者の氏名又は名称
(3) 事業者の住所又は事務所若しくは事業所の所在地
(4) 販売価格又は提供価格
(5) 量目
(6) 一定計量単位当たりの価格
(7) 保証の期間及び保証内容
2 知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ佐賀県消費生活審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。
3 知事は、第1項の規定による指定をしたときは、速やかに告示しなければならない。これを変更し、又は廃止したときも同様とする。
(計量の適正化)
第19条 事業者は、商品等の供給に際し、消費者の不利益となるような計量を行ってはならない。
(広告宣伝の適正化)
第20条 事業者は、その供給する商品等について、事実と相違し、又は誇大な表現を用いる等消費者を著しく誤認させるおそれのある広告宣伝をしてはならない。
(広告代理業及び広告媒体業を行う者の責務)
第21条 広告代理業又は広告媒体業を行う者は、明らかに事実と相違しており、又は明らかに誇大な表現が用いられている等消費者を著しく誤認させることが明白である広告宣伝については、これを行わないようにしなければならない。
第4章 不当な取引行為の禁止
(1) 消費者に対し、販売の意図を隠し、又は商品等の品質、安全性、内容、取引条件、取引の仕組み等に関する重要な情報を提供せず、若しくは契約締結の意思を形成する上で重要な事項について誤信を招く情報を提供し、又は将来における不確実な事項について断定的な判断を提供して、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。
(2) 消費者を威迫し、困惑させる等消費者の十全な意思形成を妨げる不当な手段を用いて、又は消費者の取引に関する知識若しくは判断力の不足に乗じ、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。
(3) 取引における信義誠実の原則に反し、消費者に不当な不利益をもたらすこととなる内容又は対価的均衡を著しく欠く内容の契約を締結させること。
(4) 消費者又はその関係人を欺き、威迫し、困惑させる等の不当な手段を用いて、消費者又はその関係人に契約(契約の成立又はその内容について当事者間で争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を迫り、又は履行をさせること。
(5) 契約に基づく債務について、正当な理由なく完全な履行をせず、又は消費者の正当な根拠に基づく債務の履行の請求に対して履行を不当に拒否し、若しくはいたずらに遅延させ、又は消費者への事前の通知をすることなく履行を中止すること。
(6) 契約内容を正当な理由なく一方的に変更すること。
(7) 消費者の正当な根拠に基づく契約の申込みの撤回又は契約の解除若しくは取消しの申出若しくは契約の無効の主張(以下これらを「契約の申込みの撤回等」という。)に際し、当該契約の申込みの撤回等を受け付けず、契約の成立若しくは存続を強要し、又は契約の申込みの撤回等が有効に行われたにもかかわらず、当該契約の申込みの撤回等によって生じた債務の履行を不当に拒否し、若しくはいたずらに遅延させること。
(8) 商品等を販売する事業者又はその取次店等実質的な販売行為を行う者からの商品等の購入を条件又は原因として信用の供与をする契約又は保証を受託する契約(以下これらを「与信契約等」という。)について、消費者の利益を不当に害することが明白であるにもかかわらず、その締結を勧誘し、若しくは締結させ、又は消費者の利益を不当に害する方法で与信契約等に基づく債務の履行を迫り、若しくは履行をさせること。
(取引の実態等についての調査)
第23条 知事は、前条に規定する不当な取引行為が行われている疑いがあると認めるときは、その取引の仕組み、実態等につき必要な調査を行うものとする。
(不当な取引行為についての情報提供)
第24条 知事は、不当な取引行為による被害の発生及び拡大を防止するために必要があると認めるときは、消費者に対し、前条の調査の経過及び結果について情報提供を行うものとする。
第5章 事業者の自主基準及び県の基準の策定等
(自主基準の策定)
第25条 事業者及び事業者団体は、法令を遵守した経営を推進するために、その事業活動において自ら遵守すべき基準、規程等(以下「自主基準」という。)を定め、広くそれを公開するように努めなければならない。
2 知事は、事業者及び事業者団体に対し、自主基準の策定について、必要な助言を行うものとする。
(県の基準の策定)
第26条 知事は、この条例の目的を達成するために必要な範囲で、事業者及び事業者団体が遵守すべき基準、規程等(以下「県の基準」という。)を定めることができる。
2 知事は、県の基準を定めようとするときは、あらかじめ佐賀県消費生活審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。
3 知事は、県の基準を定めたときは、速やかに告示しなければならない。これを変更し、又は廃止したときも同様とする。
(県の基準の遵守義務)
第27条 事業者及び事業者団体は、県の基準が定められたときは、これに従わなければならない。
第6章 消費者教育の推進等
(消費者教育の充実)
第28条 県は、市町、教育機関、消費者団体、事業者団体等と連携し、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場における消費生活、生活設計等に関する教育(以下「消費者教育」という。)の実施、消費者教育を行う指導者の育成、学習会等への講師の派遣及び派遣のあっせん、消費者教育の場への県の施設の提供等の施策を推進することにより、消費者に対する消費者教育の充実を図るものとする。
(平17条例74・一部改正)
(啓発活動の推進)
第29条 県は、消費生活に関する情報の迅速な伝達により、行政と消費者との情報の共有化を図り、もって消費生活における消費者の安全・安心を確保するために、消費生活に関する情報の提供、消費者被害についての広報、法律上の権利及び被害救済手続について周知を図るための啓発活動等を推進するものとする。
(世代の相違等への配慮)
第30条 県は、消費者教育及び啓発活動を推進するに当たっては、消費者の世代の相違に応じて、及び消費者の心身に障がいがある場合にはその状況等に応じて適切な内容及び方法となるよう配慮しなければならない。
第7章 消費者苦情の処理
(事業者及び事業者団体の消費者苦情の処理等)
第31条 事業者及び事業者団体は、事業者の事業活動について消費者との間に生じた苦情(以下「消費者苦情」という。)を適切かつ迅速に処理するために必要な体制を整備し、当該苦情を適切に処理するよう努めなければならない。
2 知事は、事業者及び事業者団体の苦情処理体制の整備について、必要な助言を行うものとする。
(県の消費者苦情の処理)
第32条 知事は、消費者苦情の申出があったときは、速やかに、その内容を調査し、当該消費者苦情を解決するためにあっせんその他の必要な措置を講ずるものとする。
2 知事は、前項の規定による調査に当たって必要があると認めるときは、当該消費者苦情に係る事業者その他の関係者に対し、必要な資料の提出又は説明を求めることができる。
3 知事は、第1項の規定による調査に当たって必要があると認めるときは、行政機関その他の団体又は個人に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
(消費者苦情の処理に係る人材の確保等)
第33条 知事は、消費者苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、消費者苦情の処理に携わる人材の確保及び資質の向上その他の必要な施策を講ずるものとする。
(市町との連携の確保)
第34条 知事は、市町が行う消費者苦情の処理について、必要に応じて、情報の提供、技術的指導その他の支援を行うものとする。
2 知事は、市町に申出があった消費者苦情について、当該市町において適切に処理することが困難であるとして当該市町長から要請を受けたとき、又は知事が当該市町において適切に処理することが困難であると認めるときは、必要に応じて、県において解決のためのあっせんその他の必要な措置を講ずるものとする。
(平17条例74・一部改正)
(佐賀県消費者被害救済委員会のあっせん等)
第35条 県民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争(事業者の事業活動について消費者との間に生じたものに限る。)について、その公正かつ速やかな解決を図るため、佐賀県消費者被害救済委員会(以下「被害救済委員会」という。)を置く。
2 知事及び市町長は、申出を受けた消費者苦情のうち、次の各号のいずれかに該当するものについては、被害救済委員会のあっせん又は調停(以下「あっせん等」という。)に付託することができる。
(1) 現に同種被害が多発し、又は多発するおそれがあるもの
(2) 被害が重大で、同種被害が今後も発生する可能性があるもの
(3) その他特に被害救済委員会のあっせん等に付託することが適当と認められるもの
3 前項の場合において、当該消費者苦情を申し出た消費者が被害救済委員会のあっせん等を希望しているにもかかわらず、知事又は市町長が被害救済委員会のあっせん等に付託しないときは、当該消費者が自ら被害救済委員会に当該消費者苦情のあっせん等を申し出ることができる。
4 被害救済委員会は、学識経験を有する者のうちから、知事が任命する委員10人以内をもって組織する。
5 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 知事は、第4項の規定にかかわらず、高度に専門的な事項に係る消費者苦情のあっせん等を行うために必要があると認めるときは、被害救済委員会に、当該消費者苦情のあっせん等のために必要な期間に限り、専門委員を置くことができる。
8 被害救済委員会は、前項の規定による調査に当たって必要があると認めるときは、当該消費者苦情に係る事業者その他の関係者に対し、必要な資料の提出又は説明を求めることができる。
9 被害救済委員会は、第7項の規定による調査に当たって必要があると認めるときは、行政機関その他の団体又は個人に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
10 知事は、被害救済委員会に対し消費者苦情のあっせん等が付託されたときはその概要について、当該消費者苦情のあっせん等が成立したとき又は不調に終わったときはその経過及び結果について、消費者に対し、被害救済委員会の意見を聴いた上で情報提供を行い、同一又は同種の原因による被害の防止及び救済を図るものとする。
11 前各項に定めるもののほか、被害救済委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(平17条例74・一部改正)
(消費者訴訟費用の貸付け)
第36条 知事は、消費者が事業者の不当な事業活動により受けた消費生活上の被害に関し事業者を相手方として訴訟を提起する場合又は事業者に訴訟を提起された場合であって、当該訴訟が次の各号のいずれかに該当する消費者苦情に係るものであり、かつ、当該消費者が貸付けを受けなければ訴訟を提起し、又は応訴することが困難であるときは、被害救済委員会の意見を聴いて、当該消費者に対し、規則で定めるところにより、当該訴訟の費用に充てる資金の貨付けを行うことができる。
(1) 被害救済委員会のあっせん等が不調に終わったもの
(貸付金の償還等)
第37条 前条の規定により資金の貸付けを受けた者は、当該訴訟が終了したときは、規則で定めるところにより、当該貸付けに係る資金の全額を償還しなければならない。
2 知事は、前項の規定にかかわらず、特別の理由があると認めるときは、被害救済委員会の意見を聴いて、規則で定めるところにより、当該貸付けに係る資金の全部又は一部の償還を免除することができる。
第8章 生活関連商品等の需給及び価格の安定化等
(情報の収集及び調査等)
第38条 知事は、県民の消費生活の安定を図るために必要があると認めるときは、県民の消費生活との関連性が高い商品等(以下「生活関連商品等」という。)の需給及び価格の動向について、情報の収集及び調査を行うとともに、消費者に対し、収集した情報、調査経過及び結果について情報提供を行うものとする。
2 事業者及び事業者団体は、前項の規定による情報の収集及び調査に協力しなければならない。
(特定生活関連商品等の指定等)
第39条 知事は、生活関連商品等の価格が異常に上昇し、又は上昇するおそれがある場合において、当該生活関連商品等の買占め、売惜しみ、提供の拒否等が行われ、又は行われるおそれがあると認めるときは、当該生活関連商品等を特別の調査を要する商品等(以下「特定生活関連商品等」という。)として指定するものとする。
(協力の要請)
第40条 知事は、特定生活関連商品等を供給する事業者又は事業者団体に対し、当該特定生活関連商品等を適正な価格で供給し、又は供給のあっせんをするよう、協力を要請するものとする。
第9章 佐賀県消費生活審議会
(佐賀県消費生活審議会)
第41条 県民の消費生活の安定及び向上に関する重要な事項を調査審議させるため、佐賀県消費生活審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 知事は、次に掲げる場合には、審議会の意見を聴かなければならない。
(1) 年間の消費生活に関する施策の計画を策定しようとするとき。
(2) 第18条第1項の規定による指定をしようとするとき、又はこれを変更し、若しくは廃止しようとするとき。
(3) 第26条第1項の規定により県の基準を定めようとするとき、又はこれを変更し、若しくは廃止しようとするとき。
(4) この条例を改正しようとするとき、又はこれを廃止しようとするとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか、県民の消費生活の安定及び向上に関する重要な事項を審議しようとするとき。
3 審議会は、県民の消費生活の安定及び向上に関し必要と認める事項について、知事に意見を述べることができる。
4 審議会は、委員18人以内で組織する。
5 委員は、次の各号に掲げる者のうちから、知事が任命する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 消費者
(3) 事業者
6 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 審議会は、所掌事項の調査審議に際し、必要があると認めるときは、参考人の出席を求め、その意見を聴くことができる。
8 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第10章 調査、勧告、公表等
(立入調査等)
第42条 知事は、事業者が、第14条、第18条から第20条まで、第22条若しくは第27条の規定に違反する行為を行っている疑いがある場合又は事業者団体が第27条の規定に違反する行為を行っている疑いがある場合には、事業者又は事業者団体に対し、当該疑いに関し意見を求めることができるほか、次条に規定する勧告又は第44条に規定する公表を行うために必要な限度において、事業者若しくは事業者団体に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員をして、当該事業者若しくは事業者団体の事務所、工場、事業所、店舗若しくは倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
4 第1項の規定による立入調査及び質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
2 前項の規定による勧告は、当該違反行為が既になくなっている場合においても、することができる。
(1) 県民生活に重大又は広範な影響又は被害を及ぼすおそれがある場合
(2) 当該違反行為を行う以前に、同様の違反行為を行っていた場合
2 知事は、前項に規定する措置によっては、県民生活に対して及ぶこととなる影響又は被害を除去することが困難であると認める場合には、当該事業者又は事業者団体の氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地その他当該事業者又は事業者団体を特定する情報を含め、当該違反行為の概要を公表するものとする。
3 前2項の規定による公表は、当該違反行為が既になくなっている場合においても、することができる。
2 知事は、前項に規定する手続の終了後、当該事案に関し、被害救済委員会の意見を求めなければならない。
第11章 雑則
(国等への要請)
第46条 県は、この条例の目的を達成するために必要があると認めるときは、国又は関係地方公共団体に対し、適切な措置を講ずるよう要請し、又は協力を求めるものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際この条例による改正前の佐賀県民の消費生活の安定及び向上に関する条例(以下「旧条例」という。)第13条第1項の規定により現に定められている県の基準は、この条例による改正後の佐賀県民の安全安心な消費生活に関する条例(以下「新条例」という。)第26条第1項の規定により定められた県の基準とみなす。
3 この条例の施行の際旧条例第26条第1項の規定により現にされている指定は、新条例第39条第1項の規定によりされた指定とみなす。
6 旧条例第32条第3項第4号の規定により佐賀県消費生活審議会の委員に任命されている者は、この条例の施行の日の前日をもって解任されるものとする。
7 この条例の施行の際現に旧条例第33条第3項の規定により佐賀県消費者苦情処理委員会の委員に任命されている者は、この条例の施行の日に新条例第35条第4項の規定により被害救済委員会の委員に任命されたものとみなし、その任期は同条第5項の規定にかかわらず、同項の任期からその者が旧条例において佐賀県消費者苦情処理委員会の委員として在任した期間を控除した期間とする。
附則(平成17年条例第74号)
この条例中第8条、第10条、第13条、第18条、第21条、第23条、第24条、第37条、第41条、第43条、第45条、第48条、第54条、第64条及び第67条の規定は平成18年1月1日から、第15条、第26条、第38条、第63条及び第65条の規定は平成18年3月1日から、その他の規定は平成18年3月20日から施行する。