○岩屋川内ダム操作規程

昭和50年5月21日

佐賀県訓令甲第3号

県土整備部

ダム管理事務所

河川法(昭和39年法律第167号)第14条第1項の規定に基づき、岩屋川内ダム操作規程を次のように定める。

岩屋川内ダム操作規程

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 貯水池の水位等(第3条~第9条)

第3章 貯水池の用途別利用(第10条・第11条)

第4章 洪水調節等(第12条~第17条)

第5章 貯留された流水の放流(第18条~第22条)

第6章 ゲート等の操作(第23条~第26条)

第7章 点検整備等(第27条・第28条)

第8章 記録等(第29条~第31条)

第9章 雑則(第32条)

附則

第1章 総則

(通則)

第1条 岩屋川内ダム(以下「ダム」という。)の操作については、この規程の定めるところによる。

(ダムの用途)

第2条 ダムは、洪水調節及び不特定用水の供給をその用途とする。

第2章 貯水池の水位等

(洪水)

第3条 洪水は、流水の貯水池への流入量(以下「流入量」という。)が毎秒40.0立方メートル以上である場合における当該流水とする。

(洪水期間及び非洪水期間)

第4条 洪水期間及び非洪水期間は、次の各号に規定する期間とする。

(1) 洪水期間 6月10日から9月30日まで

(2) 非洪水期間 10月1日から翌年6月9日まで

(かんがい期間)

第5条 かんがい期間は、6月21日から10月10日までとする。

(水位の測定)

第6条 貯水池の水位は、ダム本体に取り付けられた水位計により測定するものとする。

(常時満水位)

第7条 貯水池の常時満水位は、標高182.50メートルとし、次の各号の一に該当する場合を除き、水位をこれより上昇させてはならない。

(1) 第14条の規定により洪水調節を行うとき。

(2) 第16条の規定により洪水に達しない流水の調節を行うとき。

(洪水時満水位)

第8条 貯水池の洪水時満水位は、標高198.50メートルとし、水位をこれより上昇させてはならない。

(最低水位)

第9条 貯水池の最低水位は、標高173.50メートルとする。

第3章 貯水池の用途別利用

(洪水調節等のための利用)

第10条 洪水調節及び洪水に達しない流水の調節は、標高182.50メートルから標高198.50メートルまでの容量最大165万立方メートルを利用して行うものとする。

(不特定用水のための利用)

第11条 不特定用水の供給は、標高173.50メートルから標高182.50メートルまでの容量最大63万立方メートルを利用して行うものとする。

第4章 洪水調節等

(洪水警戒体制)

第12条 ダム管理事務所長(以下「所長」という。)は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、洪水警戒体制をとらなければならない。

(1) 佐賀地方気象台から降雨に関する注意報又は警報が発せられたとき。

(2) その他、洪水が予想されるとき。

(平15訓令甲7・平19訓令甲11・一部改正)

(洪水警戒体制時における措置)

第13条 所長は、前条の規定により洪水警戒体制をとったときは、直ちに、次の各号に定める措置をとらなければならない。

(1) 県土整備部河川砂防課、佐賀地方気象台その他の関係機関との連絡並びに気象及び水象に関する観測及び情報の収集を密にすること。

(2) 最大流入量、洪水総量、洪水継続時間及び流入量の時間的変化を予測すること。

(3) 洪水調節計画を立てること。

(4) ゲート及びバルブ(以下「ゲート等」という。)の操作に必要な機械及び器具の点検及び整備、予備電源設備の試運転その他ダム操作に関し必要な措置をとること。

(平15訓令甲7・平16訓令甲1・平28訓令甲6・一部改正)

(洪水調節)

第14条 所長は、流入量が毎秒40.0立方メートルに達した後は、ゲート等の開度を毎秒40.0立方メートルに保持し、流入量が毎秒40.0立方メートルに減少するまで毎秒最大40.0立方メートルを限度として流水を放流することにより洪水調節を行わなければならない。

2 所長は、貯水位が洪水時満水位を越えるときは、前項の規定にかかわらず、流入量に相当する量を限度として、クレストゲートの操作により放流するものとする。

3 所長は、気象、水象、その他の状況により特に必要と認める場合において、前2項の規定によらないことができる。

(洪水調節等の後における水位の低下)

第15条 所長は、前条の規定により洪水調節を行った後又は次条の規定により洪水に達しない流水の調節を行った後において、水位が常時満水位を越えているときは、速やかに、水位を常時満水位に低下させるため、下流に支障を与えない程度の流量を限度として、ダムから放流を行わなければならない。

(洪水に達しない流水の調節)

第16条 所長は、気象、水象、その他の状況により必要と認める場合においては、洪水に達しない流水についても調節を行うことができる。

(洪水警戒体制の解除)

第17条 所長は、洪水警戒体制を維持する必要がなくなったと認める場合においては、これを解除しなければならない。

第5章 貯留された流水の放流

(貯留された流水を放流することができる場合)

第18条 ダムによって貯留された流水は、次の各号の一に該当する場合に限り放流することができる。

(1) 水位が洪水時満水位を越えるとき。

(2) 水位が常時満水位を越えるとき。

(3) 第14条の規定により洪水調節を行うとき。

(4) 第15条の規定により洪水調節等の後における水位の低下をさせるとき。

(5) 第16条の規定により洪水に達しない流水の調節を行うとき。

(6) 第21条の規定により不特定用水の供給のための放流を行うとき。

(7) 第27条の規定によりゲート等の点検又は整備を行うため特に必要があるとき。

(8) その他、特にやむを得ない理由があるとき。

(放流の原則)

第19条 所長は、ダムから放流を行う場合においては、放流により下流に急激な水位の変動を生じないよう、及び放流が無効放流とならないよう努めなければならない。

(放流量)

第20条 ダムから放流を行う場合においては、ダムからの放流量は、次の各号に掲げる量を越えないよう努めなければならない。

(1) 第18条第1号第2号又は第5号の場合においては流入量に相当する量

(2) 第18条第3号の場合においては、最大毎秒40.0立方メートルとし、異常洪水の場合においては流入量に相当する量

(3) 第18条第4号第7号又は第8号の場合においては、毎秒40.0立方メートル

(4) 第18条第6号の場合においては、次の規定による放流量

(不特定用水の供給のための放流)

第21条 所長は、かんがい期間において、かんがい用水の供給のため必要があると認める場合においては、別表第1に掲げる範囲内のかんがい用水量を湯の田地点において確保できるよう必要な流量をダムから放流しなければならない。

2 所長は、非かんがい期間において、河川維持用水のため、流入量の範囲内において、必要な流水をダムから放流しなければならない。

(放流に関する通知等)

第22条 所長は、ダムによって貯留された流水を放流することによって流水の状況に著しい変化を生ずると認める場合において、これによって生ずる危害を防止するため必要があると認めるときは、特定多目的ダム法(昭和32年法律第35号)第32条の規定に準じて関係機関に通知するとともに一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。

2 知事は、前項の規定により通知すべき関係機関及び周知する方法を、あらかじめ定めておくものとする。

第6章 ゲート等の操作

(ゲート等の操作方法)

第23条 ゲート等を操作してダムから放流を行う場合においては、放流管バルブの操作により行うことを原則とし、これによって所要の放流ができないときは、クレストゲートを操作して放流するものとする。

(クレストゲートの操作)

第24条 クレストゲートは、次の各号に掲げる場合を除き常に閉そくしておくものとする。

(1) 第18条第1号第3号第4号及び第8号に該当する場合においてダムから放流を行うとき。

(2) 第27条の規定によりクレストゲートの点検又は整備を行うため必要があるとき。

(3) その他、特に必要があるとき。

(コースターゲートの操作)

第25条 コースターゲートは、次の各号に掲げる場合を除き、常に全開しておくものとする。

(1) 第27条の規定によりバルブの点検又は整備を行うため必要があるとき。

(2) その他、必要があるとき。

(放流管バルブ及び利水管バルブの操作)

第26条 放流管バルブは、次に掲げる場合を除き、常に閉そくしておくものとする。

(1) 第18条第2号第4号第5号及び第8号に該当する場合においてダムから放流を行うとき。

(2) 第27条の規定により、放流管バルブの点検又は整備を行うため必要があるとき。

(3) その他、必要があるとき。

2 利水管バルブは、次の各号に掲げる場合を除き常に閉そくしておくものとする。

(1) 第18条第6号に該当する場合においてダムから放流を行うとき。

(2) 放流管バルブより毎秒40.0立方メートル放流を行う場合において補償用水のみ放水するとき。

(3) 第27条の規定により利水管バルブの点検又は整備を行うため必要があるとき。

(4) その他、必要があるとき。

第7章 点検整備等

(点検及び整備)

第27条 所長は、次の各号に掲げる施設等を常に良好な状態に保つため点検及び整備を行わなければならない。

(1) ダム本体

(2) ゲート等

(3) ゲート等を操作するための必要な機械及び器具

(4) 警報、通信、連絡、観測等のための必要な設備

(5) 監視のための必要な船舶

(6) 警報のための必要な車両

(7) 前各号に掲げるものの操作のための必要な資材

2 所長は、ゲート等及び予備電源設備を常に良好な状態に保つため、適時試運転を行わなければならない。

(調査又は測定)

第28条 所長は、別表第2に掲げる事項に関し、同表の項目について調査、又は測定を行わなければならない。

第8章 記録等

(ゲート等の操作記録)

第29条 所長は、第14条の規定により洪水調節を行ったとき、第15条の規定により放流を行ったとき、及び第16条の規定により洪水に達しない流水の調節を行ったときは、次の各号に掲げる事項を記録しておかなければならない。

(1) 気象及び水象の状況

(2) ゲート等の操作事由、操作したゲート等の名称、ゲート等の操作開始及び終了の年月日及び時刻、ゲート等の開度並びにゲート等の操作による放流量及び水位の変動

(3) ダム及びダムの関連施設、貯水池及び貯水池の上下流の被害の状況並びに河床の変動の状況

(4) 放流に伴う警報及び連絡に関する事項

(5) その他、特に記すべき事項

2 所長は、前項に規定する場合を除き、第24条各号及び第25条各号の一に該当する場合においてゲート等を操作したときは、その状況を前項に準じて記録しておかなければならない。

(調査結果等の記録)

第30条 所長は、第27条の規定により点検及び整備を行った結果、並びに第28条の規定により調査し又は測定した結果を記録しておかなければならない。

(管理月報及び管理年報の作成)

第31条 所長は、別に定めるところによりダム管理月報及びダム管理年報を作成しなければならない。

第9章 雑則

(細則)

第32条 この規程を実施するために必要な細則は、知事が別に定める。

この規程は、公布の日から施行する。

(平成15年訓令甲第7号)

この訓令は、平成15年4月1日から施行する。

(平成16年訓令甲第1号)

この訓令は、平成16年4月1日から施行する。

(平成19年訓令甲第11号)

この訓令は、平成19年4月1日から施行する。

(平成28年訓令甲第6号)

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

別表第1(第21条関係)湯の田基準点流量(大溝井堰)

6月

下旬

0.170m3/S

8月

上旬

0.130m3/S

9月

上旬

0.127m3/S

7月

上〃

0.113〃

中〃

0.130〃

中〃

0.120〃

中〃

0.121〃

下〃

0.130〃

下〃

0.118〃

下〃

0.131〃

 

10月

上〃

0.118〃

別表第2(第28条関係)調査又は測定事項

事項

項目

気象

天気、気温、降雨量、風向、風速、気圧

貯水池

水位、流入量、放流量、堆砂量、水温

ダム

揚圧力、漏水量、ヒズミ、亀裂

岩屋川内ダム操作規程

昭和50年5月21日 訓令甲第3号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第10編 土木/第4章 河川/第5節 ダム
沿革情報
昭和50年5月21日 訓令甲第3号
平成15年3月31日 訓令甲第7号
平成16年3月31日 訓令甲第1号
平成19年3月30日 訓令甲第11号
平成28年3月31日 訓令甲第6号