○佐賀県男女共同参画推進条例
平成13年10月9日
佐賀県条例第42号
佐賀県男女共同参画推進条例をここに公布する。
佐賀県男女共同参画推進条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策(第8条―第17条)
第3章 佐賀県男女共同参画推進審議会(第18条―第23条)
第4章 雑則(第24条)
附則
男女は、すべて人として平等であって、個人として尊重されなければならない。この理念に基づき、佐賀県では、差別や偏見のない、お互いの人権が尊重される社会の実現を目指し、さまざまな取組を行ってきた。
今日、少子高齢化など社会が急速に変化している中で、豊かで活力のある佐賀県を築いていくためには、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく慣行など、男女の主体的で自由な活動の選択を妨げる要因の解消を図り、性別にかかわりなく、個性や能力が十分に発揮できる社会を実現することが、重要かつ緊急な課題となっている。
こうした状況を踏まえ、ここに、男女が互いにその生き方を尊重し、共に責任を担う男女共同参画社会の実現を目指し、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策について基本となる事項等を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、推進されなければならない。
2 男女共同参画の推進に当たっては、性別による固定的な役割分担意識等に基づく制度又は慣行が、男女の主体的で自由な活動の選択を妨げないよう配慮されなければならない。
3 男女共同参画は、男女が、社会の対等な構成員として、県その他の団体における政策又は方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、推進されなければならない。
4 男女共同参画は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、職場、学校及び地域における活動その他の社会における活動を行うことができるようにすることを旨として、推進されなければならない。
5 男女共同参画の推進に向けた取組が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参画は、国際的協調の下に、推進されなければならない。
(県の責務)
第4条 県は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下「男女共同参画施策」という。)を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、男女共同参画施策を推進するに当たっては、市町、県民及び事業者と連携し、及び協力して取り組むよう努めるものとする。
(平17条例74・一部改正)
(県民の責務)
第5条 県民は、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画を推進するよう努めなければならない。
2 県民は、県が行う男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、その事業活動に関し、基本理念にのっとり、男女共同参画を推進するよう努めなければならない。
2 事業者は、県が行う男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(性別による権利侵害の禁止)
第7条 何人も、あらゆる場において、性別による差別的取扱いをしてはならない。
2 何人も、あらゆる場において、セクシュアル・ハラスメント(性的な言動により他人を不快にさせ、もってその者の生活環境を害することをいう。)を行ってはならない。
3 何人も、あらゆる場において、男女間における暴力的行為(身体的又は精神的な苦痛を与える行為をいう。)を行ってはならない。
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策
(県民等の理解を深めるための措置)
第8条 県は、男女共同参画に関する県民及び事業者の理解を深めるため、広報活動等を行うとともに、学校教育、社会教育その他の教育において適切な措置を講ずるものとする。
(事業者の報告)
第9条 知事は、男女共同参画を推進するために必要があると認めるときは、事業者に対しその事業活動における男女共同参画の状況について報告を求めることができる。
2 知事は、前項の報告により把握した男女共同参画の状況を取りまとめ、公表するものとする。
(表彰)
第10条 知事は、男女共同参画を積極的に推進する県民及び事業者を表彰することができる。
(市町及び県民に対する支援)
第11条 県は、男女共同参画の推進に関し、市町が実施する施策及び県民が行う活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(平17条例74・一部改正)
(調査研究等)
第12条 県は、男女共同参画を推進するため、男女共同参画に関する情報の収集、分析及び調査研究を行うよう努めるものとする。
(相談の処理等)
第13条 知事は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画を阻害する要因による男女の人権の侵害に関し県民から相談の申出があった場合は、適切に処理するものとする。
2 知事は、県が実施する男女共同参画施策又は男女共同参画に影響を及ぼすと認められる施策について、県民又は事業者から意見の申出があった場合は、必要な措置を講ずるものとする。
3 前項の場合において、知事は、必要があると認めるときは、佐賀県男女共同参画推進審議会の意見を聴くものとする。
(男女共同参画推進員の設置)
第14条 知事は、前条に規定する相談の申出及び意見の申出の受付等並びに男女共同参画に関する啓発活動を行わせるため、男女共同参画推進員を置くことができる。
(推進体制の整備等)
第15条 県は、男女共同参画施策を推進するため、県の推進体制を整備するとともに、市町、県民及び事業者との連携を図るものとする。
2 県は、男女共同参画施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(平17条例74・一部改正)
(附属機関等における積極的改善措置)
第16条 県は、その設置する附属機関等の委員の任命等について、積極的改善措置を講ずることにより、できる限り男女の均衡を図るよう努めるものとする。
(年次報告)
第17条 知事は、男女共同参画の状況、男女共同参画施策の実施状況等について、年次報告を作成し、公表するものとする。
第3章 佐賀県男女共同参画推進審議会
(設置)
第18条 男女共同参画施策について調査審議するため、佐賀県男女共同参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(組織)
第19条 審議会は、知事が委嘱する委員20人以内で組織する。
2 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満であってはならない。
(会長)
第20条 審議会に会長を置き、委員の互選によってこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
(会議)
第21条 審議会は、会長が必要に応じて招集し、会長がその会議の議長となる。
2 審議会は、委員の2分の1以上が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
4 審議会は、必要があると認めるときは、関係県職員又は学識経験のある者の出席を求め、その意見を聴くことができる。
(幹事)
第22条 審議会に、審議会の会務について委員を補佐させるため、幹事若干人を置く。
2 幹事は、関係県職員のうちから知事が任命する。
(庶務)
第23条 審議会の庶務は、佐賀県健康福祉部において処理する。
(平16条例2・平28条例9・一部改正)
第4章 雑則
附則
(佐賀県男女共同参画推進審議会条例の廃止)
2 佐賀県男女共同参画推進審議会条例(平成2年佐賀県条例第14号)は、廃止する。
附則(平成16年条例第2号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。
附則(平成17年条例第74号)
この条例中第8条、第10条、第13条、第18条、第21条、第23条、第24条、第37条、第41条、第43条、第45条、第48条、第54条、第64条及び第67条の規定は平成18年1月1日から、第15条、第26条、第38条、第63条及び第65条の規定は平成18年3月1日から、その他の規定は平成18年3月20日から施行する。
附則(平成28年条例第9号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。