○勤務評定実施要領

昭和34年1月1日

公報

第1 佐賀県職員勤務評定規程(昭和34年佐賀県訓令甲第1号。以下「規程」という。)に基く職員の勤務評定の手続は、この要領により行う。

第2 評定者及び調整者は、公正にして適切な評定又は調整を行うために特に次の事項に留意しなければならない。

1 日常の監察及び指導その他によって得られた資料にもとづき適確な判断を下すこと。

2 性別、政治的意見又は組合の所属関係によって職員の差別をしないこと。

3 縁故関係もしくは友人関係又は好き、きらい、同情もしくは偏見によって判断を左右されないこと。

4 厳正な態度を堅持し、他人、特に評定をうける職員の思惑によって影響されないこと。

5 職員の評定期間以外の実績によって影響されないこと。

6 勤務年数の長短によって考慮してはならない。

7 執務に関連のない職員の能力、学識経験等を考慮しないこと。

8 ある評定要素について優れている職員はすべての評定要素について優れているように思い誤られ易く、また同様に、ある評定要素について劣っている職員はすべての評定要素について劣っているように思い誤られ易いが、このような誤りにおちいらないこと。

(規程第4条関係)

第3 規程第4条第3号にいう「職員」とは、非常勤の者及び評定のつど知事の指定した者とする。

(規程第7条関係)

第4 特別評定の実施については、次のとおりとする。

1 規程第7条第1号の職員にあっては、5月を経過した日の翌日を評定基準日とする。

2 規程第7条第2号の職員にあっては、同第6条第1号の職員は3月、同条第2号及び第3号の職員にあっては、勤務した期間又は直接監督を受けた期間が3月を、それぞれ経過した日の翌日を評定基準日とする。ただし、この場合、定期評定の基準日前3月以内に行うこととなる者にあっては、実施しない。

(規程第9条関係)

第5 規程第6条第1号に該当する職員で評定者たる直近の監督者以外に3月以上監督関係を有する監督者がある場合は当該監督者のうち評定者の直近上位の監督者が評定者を兼ねるものとする。

評定者及び調整者が、評定期間中3月以上にわたり休暇、休職その他の事由により職務に従事しないため評定又は調整を行うことが適当でないと認める場合又はその他の事由により規程別表第1の区分により難い場合は当該所属長の申出に基き、評定審査者が指定した者が評定者又は調整者となるものとする。

(規程第11条関係)

第6 勤務評定は、次の方法により行う。

1 評定者の処理事項

(1) 評定要素が同じであってかつ職務の複雑と責任の度が、ほぼ同等と認められる職員ごとに、一の勤務評定表を用いる。

(2) 評定要素についての評定は、別表「評定基準表」に基き、A、B、C、D、及びEの5記号(以下「評定記号」という。)をもって行い、一の評定要素について、職務の複雑と責任の度が、ほぼ同等である職員についての評定が終らなければ次の評定要素についての評定に移ってはならない。

(3) 各評定記号の表わす意味は次のとおりである。

A 勤務実績が特にすぐれている。

B 勤務実績がすぐれている。

C 勤務実績が普通である。

D 勤務実績がややおとっている。

E 勤務実績がおとっている。

(4) 評定者は、すべての評定要素についての評定が終ったならば各評定記号を別表「点数換算表」により点数に換算し、各点数を加算して得た点数を評定点として「評定点」の欄に記入し、その平均点を「平均点」の欄に記入する。この場合、平均点の小数点以下は、四捨五入する。

(5) 職務の複雑と責任の度がほぼ同等であると認められる職員の評定表が2枚以上にわたる場合は、その評定表を通じて一括した枚数を記入する。

(6) 評定者は、評定表各欄の記入が終ったならば「評定者」の欄に押印し勤務評定結果報告書(別表様式)を付して第1次調整者又は人事課長を経て評定審査者に提出する。

2 調整者の処理事項

(1) 調整者は、評定者又は下級の調整者から提出された評定表を充分検討し、所定の手続に違反していないか記入すべき事項の記入もれはないかについて検閲しなければならない。

(2) 検閲の結果所定の手続に違反しているものについては、その訂正を命じなければならない。

(3) 調整を行うにあたっては、評定者又は、下級調整者の意見を参考とすることができる。

(4) 調整点の決定は、次のいづれかの方法により各被評定者につき決定する。

ア 組織が小さく第1次調整者が職員の勤務実績を熟知している場合は、職員の個人について検討し、個人間及び組織間の不均衡を調整し、これによって得た点数を調整点とする。

イ 組織が大きく調整者が、すべての職員の勤務実績を十分に把握することができない場合は、単位組織ごとの能率等を考慮し、各単位組織内の職員の評定を比較検討し、加減方式により調整して得た点数を調整点とする。

(5) 第2次調整点の決定は、第1次調整点の決定方法に準じて加減方式によりこれを決定し記入する。

(6) 調整者は、調整に用いた調整方法を評定表の当該欄に、次のように記入する。

ア 使用した調整法に該当する□の中にレ印をつける。

イ 加減法を使用した場合は、一律に加え又は減じた点数を余白に「+3」又は「-4」のように記入する。

(7) 調整者は、各欄に所見を記入する場合は赤インクを使用し、その末尾に押印して記入者を明白にする。

(8) 調整の結果、すべて記入を終った場合は、押印して上級の調整者又は人事課長を経て評定審査者に提出する。

3 評定審査者の処理事項

(1) 勤務実績の評定及び記録を審査し、適当と認めた場合は、最終調整点をもって「決定点」として記入する。

(2) 規程第10条に定める評語を、別に定める方法により附与し記入する。

4 条件付採用期間の職員の評定

条件付採用期間中の職員に係る特別評定の場合にあっては、前記までの要領によるほか、評定者及び調整者は、評定表の「特記事項」の欄に、総合評定及び調整の結果に基づき、次の区分により記載する。

優 (正式任用してよい。)

良 (正式任用してもよい。)

不可 (正式任用できない。)

第7 勤務評定結果の報告

最終調整者は、勤務評定表に勤務評定結果報告書(別表様式)を付し、人事課長を経て評定審査者に提出するものとする。

評定要素基準表

項目

着眼点

A

B

C

D

E

仕事の正確さ

仕事の過程及び結果に誤りはなかったかその出来上りはよかったか。

間違があったことはなく出来上りも非常によかった。

大体間違いなく出来上りもよかった。

間違いは極めて少なく出来上りは普通であった。

時々間違いがあり出来上りも余りよくなかった。

間違が多く、やり直しを命ずることが多かった。

勤勉さ

根気と熱意をもって蔭日向なく仕事を遂行したか。

非常な熱意でうまず仕事に努力した。

特にいう程ではないが仕事に相当努力した。

熱意があるとはいえないが普通の仕事振りであった。

やや真面目さを欠き時に蔭日向もある。

不真面目で蔭日向も多く勝手に席をはずしたり雑談にふけることが多い。

報告

執務内容、仕事の結果を適時上司に報告したか。

時期も内容も安心していられる。

大体要点のしっかりした報告をする。

適時、一般的な報告をする。

報告はするが内容が明確でないことがある。

聞かなければ報告をせず内容も要領得ないことがある。

責任感

責任感が強く安心して仕事をまかせることができたか。

かなり悪い事情の下でもあくまで仕事を完遂しようとし安心してまかすことができた。

相当に責任感が強く仕事をまかせられた。

普通である。

やや責任感をかく所があった。

責任感がなく、責任を転稼することが常であった。

積極性

進んで仕事をしたか、よく意見を具申したか。

進んで仕事をし、どしどし意見や提案を出し困難なこともためらわなかった。

進んで仕事をし意見や提案をした。

きまったことは普通にやるが新しいことは進んで手を出そうとしなかった。

やや引込思案であった。

消極的で命令しなければやろうとしない。

統率力

部下をよく掌握し仕事の命令も適切で部下がよろこんでこれに従ったか。

部下をよく掌握し仕事の命令も適切で部下がよろこんでこれに従った。

部下の掌握、仕事の命令も概してよく部下は不平なくこれに従った。

普通で甚だしい不平はなかった。

部下の掌握も余りできず仕事の命令も下手で不平の声がよく聞かれた。

部下の掌握が全然できず、部下はほとんど離反していた。

企画力

仕事を行う上の計画のたて方はよかったか、創意を働かしたか。

非常に立派な計画をたて創意精密さもすぐれていた。

よい計画をたて正確ではあるがやや創意が欠けていた。

日常必要な程度の計画をたてることができた。

企画力がやや乏しく指導すればどうにかできた。

計画を立てる力がなく指導しても満足にできない。

判断力

問題の要点を的確に把握し、迅速且つ正確な判断を下したか。

困難な問題でも迅速かつ正確に判断を下し誤りがなかった。

困難な問題を正確に判断し先づ誤りがなかった。

普通のことがらについては正確に判断し大体誤りがなかった。

普通のことでも時々誤った判断を下すことがあった。

簡単なことでも判断できず又誤った判断を下すことが多かった。

知識と応用(技術)

仕事に必要な知識を有し、これを適切に応用したか。

必要な知識が豊富で応用にも非常にすぐれていた。

必要な知識を相当有し応用も概して適切であった。

一応必要な知識を有し仕事の遂行に差支えなかった。

必要な知識がやや不足し仕事の遂行に差支えることがあった。

必要な知識に乏しく仕事を遂行することができないことが多かった。

指導力

部下の教育指導が上手で仕事に効果をあげていたか。

部下を巧みに教育指導しその能力を十分に向上させることができた。

部下の指導に心掛けその成果をある程度上げることができた。

普通である。

時々注意を与える程度で余り指導に努力しなかった。

殆んど部下の指導を行わず勝手にやらせていた。

交渉力

折衝にさいしその目的を相手方に十分了承させ交渉を成立させたか。

困難な用件でも相手方に理解させ巧みに交渉を成立させた。

少々困難な用件でも交渉を円満に成立させた。

普通の折衝はその目的を達成した。

簡単な用件なら大過なくできた。

折衝が下手で仕事の運営に差支えることが多かった。

研究心

常に職務について研究的態度であったか。

研究心がきわめて旺盛で自ら進んで常に研究に努力した。

常に研究に努力した。

一応必要な程度の研究は行っていた。

やや研究心が乏しく指示されなければ研究することがなかった。

殆んど研究しようとする意慾がなかった。

整理整とん

書類や物品の整理整とんに心掛けその仕方が合理的で仕事に何時でも間にあったか。

整理整とんに心を配り仕方も合理的で何時でも支障なく求めに応ずることができた。

整理整とんもよく仕方も合理的で大体支障なく求めに応ずることができた。

普通に整理されていた。

整理整とんをたまに行うので時々間に合わないことがあった。

整理整とんに全然心を用いず殆んどあてにならなかった。

仕事の割当

仕事を部下に適切に割当て仕事のバランスが良くとれて能率を上げ得たか。

仕事の割当が適切で部下の仕事に無駄や無理がなくその組織の能率が非常に上がった。

仕事の割当が概して適切で組織の能率も相当に上がった。

普通である。

仕事の割当が適切でなく組織の能率があがらなかった。

仕事の割当に意を用いず仕事に無駄や無理が目立った。

協調性

他の職員から孤立し又は反目するようなことなく協力して仕事を行ったか。

非常に協調的で誰にも進んで協力し仕事も円満であった。

協調的で誰の仕事にも協力することをいやがらなかった。

仕事の遂行に差支えない程度の協調をした。

他人に協力する気持はないが強いられれば協力した。

自己中心で全然協力せずむしろ協調を阻んだ。

規律

規則や時間等をよく守ったか、上司の命令を守るという気持が身についているか。

進んで時間や規則等を守り上司の命令にも極めて忠実であった。

十分気をつけて時間や規則を守り上司の命令にも忠実であった。

普通である。

時々規則や命令に従わず時間も守らないことがあった。

規則、時間等を守らず命令にも従わないことが多かった。

理解

仕事に必要なことを速く正しく理解したか。

非常に速く正確で1度話せばよく通じた。

理解が速い方で誤りがなかった。

普通のことは理解するが新しいこと複雑なことはやや理解がおそかった。

理解力がやや劣りしばしば細かい説明や指示を要した。

簡単なことでも理解が困難で間違いも非常に多かった。

仕事のはやさ

仕事を行う速度は速かったか。

非常に速く急ぐ仕事も必らず間に合った。

相当速く普通の仕事はおくれることは全然なかった。

大体命じられた期限に間に合った。

期限におくれることが時々あった。

仕事がおそく期限に間に合わないことが常であった。

注意力

仕事に対して細かい注意を払ったか。

細かい点まで良く気がつき仕事に全然そつがなかった。

常に仕事に注意を払うことに努力し先づ手落はなかった。

よく仕事に注意し手落は少なかった。

やや注意力が欠け時々仕事の結果を点検しなければならなかった。

注意力乏しく常に点検をしなければならなかった。

検閲

部下の仕事の結果や報告を手落なく検閲したか。

検閲が完全で見落しがなく後で手を加える必要は全然なかった。

検閲力があり殆んど見落しがなく先づ手を加える必要はなかった。

普通である。

見落しが多く手を加えなければならないことが多かった。

1つ1つ検閲し直す必要があった。

人物評語例

性質

行動

明朗、温和、素直、純真、円満、重厚、率直謙虚、堅実、沈着、冷静、誠実、まじめ、質ぼく、実直、謹厳、きちょうめん、大胆、不屈、勇敢、果断、豪快、剛健、意志強固、勝気、そう明、機敏、ちみつ、能弁、寡黙、潔癖、無慾、せん細、上品、親切、正直、内気、陰気、神経過敏、感傷的、陰険、偏屈、さい疑的、こうかつ、偏狭、虚栄、わがまま、愚痴っぽい、ふしだら、軽率、軽薄、移り気、あきやすい、むらぎ、注意散慢、短気、がん固、ごう慢、横着、柔弱、おく病、無気力、弱気、卑屈、愚鈍、鈍感、鈍重、粗雑、粗暴、おしゃべり、口べた、慾ばり、冷酷、下品、不親切、不正直

社交的、調和的、協調的、自制的、礼節的、積極的、献身的、進取的、信念的、直情径行、熱情的、能率的、独想的、研究的、進歩的、理性的、理論的、建設的、包容的、指導的、敏速、器用、理想家的、実際家的、道徳的、審美的、博愛的、宗教的、孤独的、非協調的、感情的、反抗的、無愛想、無作法、消極的、利己的、排他的、独善的、打算的、無思慮、独断的、無計画、封建的、優柔不断、妥協的、盲従的、依存的、不器用、動作かんまん、附和雷同

(注)

1 この表に適切な評語がない場合は、職員の人物を最も適切に表わすと思われる評語を自由に記入すること。

2 必要に応じて「やや」とか「非常に」という修飾語をつけること。

画像

勤務評定実施要領

昭和34年1月1日 公報

(平成15年12月17日施行)

体系情報
第3編 人事/第6章 研修、勤務成績評定
沿革情報
昭和34年1月1日 公報
平成15年12月17日 雑報