○佐賀県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例

平成26年3月20日

佐賀県条例第17号

佐賀県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例をここに公布する。

佐賀県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例

目次

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 犯罪の防止のための自主的な活動の促進(第9条―第12条)

第3章 学校等における児童等の安全確保等(第13条―第15条)

第4章 犯罪の防止に配慮した環境等の整備(第16条―第19条)

第5章 事業活動における防犯への配慮等(第20条・第21条)

第6章 安全・安心に関する通報その他の措置(第22条)

第7章 犯罪被害者等に対する支援(第23条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり(以下「安全安心なまちづくり」という。)に関し、基本理念を定め、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、施策の基本的な事項を定めることにより、安全安心なまちづくりを総合的かつ計画的に推進し、もって県民が安全に安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 安全安心なまちづくりは、自らの安全は自ら守り、また、地域の安全は自分達で守るという認識の下に、県民、事業者又はこれらの者が組織する団体(以下「県民等」という。)による犯罪の防止のための自主的な活動(以下「防犯ボランティア活動」という。)を基本として推進されなければならない。

2 安全安心なまちづくりは、県、市町及び県民等の相互の連携の下、推進されなければならない。

(県の責務)

第3条 県は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、安全安心なまちづくりに関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

2 県は、前項の施策の実施に当たっては、国及び市町との連絡調整を緊密に行うものとする。

(県民の役割)

第4条 県民は、基本理念にのっとり、安全安心なまちづくりについて理解を深め、日常生活における自らの安全の確保とともに、安全安心なまちづくりの推進に努めるものとする。

2 県民は、県が実施する安全安心なまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、安全安心なまちづくりについて理解を深め、その所有し、又は管理する事業施設及びその事業活動に関し、自ら安全の確保に努めるとともに、安全安心なまちづくりを推進するよう努めるものとする。

2 事業者は、県が実施する安全安心なまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市町への支援)

第6条 県は、市町が実施する安全安心なまちづくりに関する施策について、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(推進体制の整備)

第7条 県は、市町及び県民等と連携して、安全安心なまちづくりに関する施策を総合的かつ効果的に推進するために必要な体制を整備するものとする。

(推進計画)

第8条 県は、安全安心なまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「推進計画」という。)を策定するものとする。

2 推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 総合的かつ長期的に講ずべき安全安心なまちづくりに関する施策の取組方針

(2) 前号に掲げるもののほか、安全安心なまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

第2章 犯罪の防止のための自主的な活動の促進

(防犯ボランティア活動の活性化のための支援)

第9条 県は、県民等が行う防犯ボランティア活動を促進するため、県民等に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(防犯ボランティア支援センターの指定等)

第10条 知事は、公安委員会と協議の上、営利を目的としない法人であって、次項に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、県に一を限って、防犯ボランティア支援センター(以下「支援センター」という。)として指定することができる。

2 支援センターは、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 防犯ボランティア活動を行う県民等に対し、情報の提供、相談への対応その他の支援を行うこと。

(2) 前号に掲げるもののほか、安全安心なまちづくりの推進のために必要な業務を行うこと。

3 県は、支援センターに対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(広報及び啓発)

第11条 県は、安全安心なまちづくりに関し、必要な広報活動及び啓発活動を行うものとする。

2 県は、県民等の安全安心なまちづくりへの関心及び理解を深めるため、安全・安心の日及び安全安心なまちづくり旬間を設けるものとする。

3 安全・安心の日は毎月26日とし、安全安心なまちづくり旬間は毎年10月11日から同月20日までとする。

(高齢者等の安全確保)

第12条 県は、高齢者、子ども、女性その他特に防犯上の配慮を要する者(以下「高齢者等」という。)が犯罪による被害を受けないようにするため、市町及び県民等が連携し、地域ぐるみで高齢者等の安全が確保されるように、市町及び県民等に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

第3章 学校等における児童等の安全確保等

(学校等における安全確保)

第13条 幼稚園、小学校、中学校、高等学校等の学校及び保育所等の児童福祉施設等(以下「学校等」という。)を設置し、又は管理する者は、当該学校等において、乳幼児、児童及び生徒(以下「児童等」という。)が犯罪による被害を受けないようにするための安全の確保(以下「安全確保」という。)に努めるものとする。

2 学校等を設置し、又は管理する者は、地域の実情に応じて、児童等の保護者、地域において防犯ボランティア活動を行う県民等及び警察署その他の関係機関の職員と連携を図り、当該学校等における児童等の安全確保のための体制の整備に努めるものとする。

3 県は、学校等を設置し、又は管理する者に対し、当該学校等における児童等の安全確保対策の実施について、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

4 知事、教育委員会及び公安委員会は、共同で、学校等における児童等の安全確保のための指針を定めるものとする。

(通学路等における安全確保)

第14条 通学の用に供される道路及び児童等が日常的に利用する公園、広場等(以下「通学路等」という。)を管理する者、児童等の保護者、学校等を管理する者、学校等の所在する地域の住民及び警察署長は、連携して、当該通学路等における児童等の安全確保に努めるものとする。

2 知事、教育委員会及び公安委員会は、共同で、通学路等における児童等の安全確保のための指針を定めるものとする。

(児童等の規範意識の向上と安全に関する教育の充実)

第15条 県は、学校等、家庭及び地域と連携して、児童等が犯罪による被害を受けないようにするための教育及び犯罪を起こさないようにするための教育の充実を図るよう努めるものとする。

第4章 犯罪の防止に配慮した環境等の整備

(犯罪の防止に配慮した公共空間等の整備)

第16条 道路、公園、駐車場その他の不特定多数の者が出入りする公共の場所(以下「公共空間等」という。)を設置し、若しくは設置しようとし、又は管理し、若しくは管理しようとする者は、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する公共空間等の整備に努めるものとする。

2 県は、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する公共空間等の普及及び重要性についての啓発に努めるものとする。

3 知事及び公安委員会は、共同で、犯罪の防止に配慮した公共空間等の構造、設備等に関する指針を定めるものとする。

(インターネットの安全な利用)

第17条 県民は、インターネットの安全な利用に努めるものとする。

2 県は、インターネットを利用する犯罪による被害を防止し、及び県民が安全に安心してインターネットを利用することができるようにするため、県民等及び関係機関に対し、必要な情報の提供、助言等を行うものとする。

(防犯カメラの適正な運用)

第18条 知事及び公安委員会は、共同で、防犯カメラ(犯罪の防止を目的として設置される映像機器及びこれに附属する機器をいう。以下同じ。)の適正な設置及び利用に関する指針を定めるものとする。

2 公共空間等に防犯カメラを設置し、又は利用する者は、前項の指針に基づき、適正な運用に努めるものとする。

(自転車盗難防止のための施錠等の促進)

第19条 自転車の利用者は、自転車を駐車する際、確実に施錠するものとする。

2 駐輪場の管理者は、当該駐輪場の利用者に対し、自転車を駐車する際、施錠するよう注意を促すものとする。

3 自転車の販売業者は、盗難防止に配慮した施錠装置等を有する自転車の普及に努めるものとする。

4 警察署長は、自転車の盗難被害の発生状況に鑑み、自転車の盗難を防止する必要性が高いと認められる駐輪場を施錠重点対象駐輪場として指定することができる。

5 前項の規定による指定を受けた施錠重点対象駐輪場の管理者は、次に掲げる盗難防止措置を行うことができる。

(1) 当該駐輪場に駐車された自転車の施錠の有無を確認し、施錠されていないものに施錠すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、自転車の盗難防止のために必要な措置を講じること。

6 警察署長は、前項に規定する駐輪場の管理者に対し、自転車の盗難防止に必要な情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

第5章 事業活動における防犯への配慮等

(犯罪の防止に配慮した事業施設の整備等)

第20条 事業者は、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する事業施設の整備に努めるものとする。

2 警察署長は、事業施設を設置し、又は管理する者に対し、犯罪の防止に配慮した事業施設の構造、設備等について、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(防犯責任者の設置等)

第21条 事業者は、その所有し、又は管理する事業施設及びその事業活動における防犯上の安全の確保のため、事業所ごとの実情に応じて、従業員に対する防犯に関する指導及び防犯設備の維持管理等を行う責任者の設置など、犯罪の防止のための措置を講じるよう努めるものとする。

第6章 安全・安心に関する通報その他の措置

第22条 法令に抵触すると思われる行為を把握した者は、警察、学校その他関係機関への通報その他適切な措置を講じるよう努めるものとする。

第7章 犯罪被害者等に対する支援

第23条 県は、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為により被害を受けた者並びにその家族又は遺族(以下「犯罪被害者等」という。)の権利利益の保護を図るため、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体の活動を促進するための支援その他の犯罪被害者等の支援に関する施策を講じるものとする。

2 県は、前項の施策の実施に当たっては、必要に応じ、国、市町その他の関係機関及び関係団体と連携して行うものとする。

この条例は、平成26年4月1日から施行する。

佐賀県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例

平成26年3月20日 条例第17号

(平成26年4月1日施行)

体系情報
第13編 警察
沿革情報
平成26年3月20日 条例第17号