○佐賀県暴走族等の追放の促進に関する条例

平成12年12月18日

佐賀県条例第42号

佐賀県暴走族等の追放の促進に関する条例をここに公布する。

佐賀県暴走族等の追放の促進に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、暴走族等による暴走行為が県民生活に多大な影響を及ぼしている状況にかんがみ、暴走族等の追放(暴走族への加入の防止、暴走族からの離脱の促進、暴走行為の防止等を図ることをいう。以下同じ。)の促進に関し、県、県民、保護者等の責務を明らかにするとともに、これらの者が一体となって暴走族等のいないまちづくりを推進するために必要な事項を定め、もって県民生活の安全と平穏に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 自動車等 道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)第2条第1項第9号に規定する自動車及び同項第10号に規定する原動機付自転車をいう。

(2) 少年 20歳未満の者をいう。

(3) 保護者 少年法(昭和23年法律第168号)第2条第2項に規定する保護者をいう。

(4) 道路 法第2条第1項第1号に規定する道路をいう。

(5) 公共の場所 道路、公園、広場、ふ頭その他公衆が通行し、又は出入りすることができる場所をいう。

(6) 暴走行為 次に掲げる行為をいう。

 法第68条の規定に違反する行為又は道路において2台以上の自動車等を連ねて通行させ、若しくは並進させる行為で法第7条、第17条、第22条第1項、第55条、第57条第1項若しくは第62条の規定に違反するもの

 法第71条第5号の3の規定に違反する行為又は法第71条の2の規定に違反する行為で著しく他人に迷惑を及ぼすこととなるような騒音を生じさせるもの

 第13条第3号に規定する行為

(7) 暴走族 暴走行為をすることを目的として結成された集団をいう。

(8) 暴走族等 暴走族、常習的に暴走行為をする者及び情を知って暴走行為に係る自動車等に同乗する者をいう。

(平16条例8・一部改正)

(県の責務)

第3条 県は、暴走族等の追放の促進のための総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

(基本方針の策定)

第4条 県は、前条の施策を推進するため、次に掲げる事項を内容とする基本方針を策定するものとする。

(1) 暴走族等の追放の促進に係る啓発活動及び県民意識の高揚に関する基本的な事項

(2) 暴走族への加入の防止に関する基本的な事項

(3) 暴走族からの離脱の促進に関する基本的な事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、暴走族等の追放の促進に関する基本的な事項

2 県は、前項に規定する基本方針を策定し、又は変更したときは、これを公表するものとする。

(県民の責務)

第5条 県民は、暴走族等のいないまちづくりの担い手として暴走族等の追放の促進に努めるとともに、第3条の施策に協力するものとする。

(保護者の責務)

第6条 保護者は、その監護に係る少年に関し、次に掲げる措置を講ずるよう努めなければならない。

(1) 当該少年を暴走族に加入させないようにするとともに、当該少年が暴走族に加入していることを知ったときは、暴走族から離脱させること。

(2) 当該少年に暴走行為を行わせないこと。

(3) 当該少年を暴走行為に係る自動車等に同乗させないこと。

(4) 当該少年を暴走行為の見物に行かせないこと。

(5) 当該少年に暴走行為をするための自動車等の改造をさせないこと。

(平16条例8・一部改正)

(学校、職場等の関係者の責務)

第7条 学校、職場その他少年の育成に携わる団体の関係者は、その職務、活動等を通じ、相互に連携し、暴走族への加入又は暴走行為若しくはその見物を防止するための活動に努めるものとする。

(事業者の責務)

第8条 自動車等の部品の販売又は自動車等の修理を業とする者は、暴走行為を助長するおそれのある自動車等の部品の販売若しくは取付け又は自動車等の改造をしないよう努めるものとする。

2 自動車等の燃料の販売を業とする者は、法第62条若しくは第71条の2又は道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第19条若しくは第73条第1項(同法第97条の3第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反することが外観上明らかな自動車等の運転者に燃料を販売しないよう努めるものとする。

3 衣服、はちまき、旗等(以下「衣服等」という。)に刺しゅう又は印刷(以下「刺しゅう等」という。)をすることを業とする者は、衣服等に暴走族等を誇示する表示の刺しゅう等をしないよう努めるものとする。

(自動車等の所有者等の責務)

第9条 自動車等の所有者及び使用者は、暴走族等に当該自動車等を貸与し、又は譲渡しないよう努めるものとする。

(施設等管理者の責務)

第10条 駐車場、空地その他の施設等の管理者は、次に掲げる措置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 当該施設等に暴走族等が暴走行為をするために集合するおそれのある場合又は暴走行為を見物する目的で多数人が集合するおそれのある場合は、集合を禁ずる旨を掲示するなど、暴走族等又は暴走行為を見物する者を集合させないための措置

(2) 当該施設等に暴走行為に供用されるおそれのある自動車等が隠匿されていることを知った場合は、速やかに、その旨を警察官に通報すること。

(道路管理者等の責務)

第11条 道路を設置し、又は管理する者は、常習的に暴走行為が行われていると認められる道路について、暴走行為を防止するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(平16条例8・追加)

(暴走族等の集合等の通報)

第12条 暴走族等が暴走行為をするために集合していること又は暴走行為が行われていることを知った者は、速やかに、その旨を警察官に通報するよう努めるものとする。

(平16条例8・旧第11条繰下)

(暴走行為に関する禁止行為)

第13条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 暴走行為をすることを目的として、公共の場所に集合する行為

(2) 他人に対して、暴走行為を行うよう強制し、又は勧誘する行為

(3) 公共の場所(道路を除く。)において、正当な理由なく、自動車等を急に発進させ、急に加速させ、急に転回させ、蛇行させ、若しくは急に停止させ、又は自動車等の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させることにより、著しく他人に迷惑を及ぼし、又は他人に危険を感じさせ、若しくは不安を覚えさせる行為

(平16条例8・追加)

(あおり行為の禁止)

第14条 何人も、不特定又は多数の者が集合し、又は群がっている公共の場所において、現に暴走行為を行っている者に対し、あおり行為(暴走行為を助長する目的で、声援を送り、拍手、手振り若しくは身振りを行い、又は旗、鉄パイプその他これらに類するものを振ることをいう。以下同じ。)をしてはならない。

(平16条例8・追加)

(重点禁止区域の指定)

第15条 公安委員会は、県民の安全と平穏を確保するため特に必要があると認める区域を、あおり行為重点禁止区域(以下「重点禁止区域」という。)として指定するものとする。

2 公安委員会は、前項の規定により重点禁止区域を指定するときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

3 前項の規定は、重点禁止区域の指定を解除し、又はその区域を変更する場合に準用する。

(平16条例8・追加)

(暴走族の結成の強制等の禁止)

第16条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 少年に対し、暴走族を結成し、若しくは暴走族に加入することを強制し、又は少年の暴走族からの離脱を妨害する行為

(2) 少年に対し、他の少年が暴走族を結成し、若しくは暴走族に加入することを強制し、若しくは勧誘し、又は他の少年の暴走族からの離脱を妨害することを強制する行為

(平16条例8・追加)

(暴走族少年からの金品収受等の禁止)

第17条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 暴走族の存続又は暴走行為をすることを容認する対償として、暴走族に加入している少年(以下「暴走族少年」という。)に対し、名目のいかんを問わず、会費、面倒見代(暴走族の面倒を見る名目の金品をいう。)、祝い金、見舞金等の金品その他財産上の利益(以下「金品等」という。)の供与を要求し、若しくは約束させ、又は暴走族少年から金品等を収受する行為

(2) 暴走族少年から、暴走族相互間の紛議又は紛争の解決を図る対償として、みだりに金品を収受する行為

(3) 暴走族少年に対し、興行の入場券、暴走族の名称等を記載したステッカーその他の物品の販売又は配布その他の役務の提供を強制する行為

(平16条例8・追加)

(暴走族相談員)

第18条 公安委員会は、暴走族等の追放の促進を図るため、社会的信望及び識見を有し、かつ、暴走族等の追放に関し熱意を有している者のうちから、暴走族相談員を置くことができる。

2 暴走族相談員は、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 暴走族への加入の防止に係る相談業務

(2) 暴走族からの離脱の促進に係る相談業務

(3) 前2号に掲げるもののほか、暴走族等の追放の促進に関する相談業務及び活動

3 暴走族相談員は、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(平16条例8・追加)

(保護者に対する措置)

第19条 警察署長は、暴走族に加入していると認められる少年の保護者に対し、当該少年を暴走族から離脱させるよう命ずることができる。

(平16条例8・旧第12条繰下・一部改正)

(関係機関への要請)

第20条 県は、暴走族等の追放の促進のための施策の実施について、必要に応じ、関係機関に対して協力の要請を行うものとする。

(平16条例8・旧第13条繰下)

(情報の提供)

第21条 県は、県民、保護者等に対し、暴走族等の追放の促進のための情報の提供に努めるものとする。

(平16条例8・旧第14条繰下)

(委任)

第22条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。

(平16条例8・追加)

(罰則)

第23条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

(1) 第16条の規定に違反した者

(2) 第17条の規定に違反した者

(平16条例8・追加)

第24条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。

(1) 第13条第2号又は第3号の規定に違反した者

(2) 重点禁止区域において、第14条の規定に違反した者

(平16条例8・追加)

この条例は、平成13年4月1日から施行する。

(平成16年条例第8号)

この条例は、平成16年6月1日から施行する。

佐賀県暴走族等の追放の促進に関する条例

平成12年12月18日 条例第42号

(平成16年6月1日施行)